投稿から採択に至るまでNature関連誌の全チームと著者が連係し、出版後は多くの読者に届くよう支援 科学コミュニティーが必要とするあらゆるサービスを提供
優れた著者サービス
Nature関連誌のエディターは自らの専門知識を駆使して、投稿論文の学術的価値を評価します。論文が投稿先のジャーナルに適さない場合は、適切な別のジャーナルに転送することで、投稿プロセスを迅速化し、著者の時間と労力を軽減します。
私たちは、このジャーナル間転送の仕組みが付加価値を生み出すサービスであると考えています。2020年に約5万人の著者に行った調査では、約半数が編集部が提案した別ジャーナルへの転送を受け入れています。そのうちの97%がこのサービスを「すばらしい」もしくは「良い」と評価し、76%が「今後もそういった提案があれば受け入れる」と答えるなど、調査対象者の大多数から支持を得ています。さらに、編集部が提案して転送された論文は総じて、直接投稿した論文に比べて2倍の確率で受理されています。
協力体制
論文が掲載されるまで著者をサポートするという目標を達成するには、協力が鍵となります。社内では、エディターがアートエディターやコピーエディターをはじめとするサポートチームと協力して、より読者の興味を引く論文になるようにします。対外的には、編集チーム が各論文の査読を依頼することで科学コミュニティーとの結びつきの強化・拡大を図ります。
こうした協働的アプローチを通じて、エディターは担当する専門領域で最も優れた論文を評価、選択し、内容をさらに向上させ、出版します。厳格で労力のかかる一連の出版プロセスは、Nature関連誌へ多くの資源を投資していることを意味します。
オープンアクセスへのコミットメント
Nature関連誌の方針は、論文の背景にあるデータ、コード、プロトコルの公開から、オープンアクセス(OA)出版、場合によってはOA出版費用の提供まで、研究成果が高いレベルのオープン性を達成する手助けをします。ネイチャー・ポートフォリオが締結した、画期的な契約の詳細をご確認ください。
Max Planck Digital Libraryとの契約:ドイツを拠点とする著者は、出版費用を個人負担することなくNatureおよびNatureリサーチ誌でOA出版できる選択肢があります。
BIBSAMとの契約:責任著者がスウェーデンのBIBSAM参加機関に所属している場合、出版費用を個人負担することなくNatureおよびNatureリサーチ誌でOA出版できる選択肢があります。
所属機関もしくは研究パートナーがOA出版費用の機関負担の対象か否かについては、OAファンディングのページでご確認ください。
ネイチャー・ポートフォリオの進歩的な取り組みの代表例として、Protocol Exchangeという研究プロトコルの供託・共有のためのオープン・リポジトリが挙げられます。著者には、分析手法や実験方法の設計に関する詳しい報告を記載した関連プロトコルと統計解析の提出を推奨しています。
さらに、シュプリンガー・ネイチャーとprotocols.ioは、デジタル・ラボ空間の可能性を探るためのパイロット・プロジェクトを共同で立ち上げました。protocols.ioはモバイル技術とウェブ技術を活用して、科学研究の加速化と再現性拡大に取り組んでいます。
ネイチャー・ポートフォリオのデータ共有方針は、科学コミュニティに恩恵をもたらし、透明性と再現性を推進することも目指しています。
2013年には、分析手法や実験方法の設計に関する詳細な報告と統計分析を求めるチェックリストの提出を義務化しました。
調査対象となった著者の83%が、チェックリストの導入によって、Nature掲載論文における統計に関する記述が大きく改善したと思うと回答しています。
Nature関連誌への掲載の条件として、著者は、むやみに制限を設けることなく、読者が速やかにデータやコードを入手できるようにすることが求められます。
Nature関連誌はデータの共有を積極的に奨励してきましたが、その結果、掲載論文に関するデータの入手可能性が分野によっては約50%から80%以上に向上しました。